親子でスマホ・ゲームお約束メーカー
アンケート
2023年5月23日

「みんなやっているよ!」って言うけど本当の所どうなの? 小学生のスマホ・ゲーム利用最新実態調査2023

ゲームばかりしている子どもは「みんなやっているよ!」って言うけど、本当かなぁ?

小学生のスマホやゲームの利用実態についてアンケートを取ってみたぞい!

もくじ

スマホで動画ばかり見たり、ゲームをやりすぎていたりする子どもに注意した時、「なんでうちだけ?」や「みんなもやっているのに!」といった言葉を返された経験はありませんか? GIGAスクール構想が広がる中、子どもがスマホやタブレットを勉強で使っているのか、遊びで使っているのかが分かりづらくなってきており、注意しづらくなっているのが現状です。そこでガンホーでは、2023年1月~3月に行った「ゲーム・スマホ啓発講座」に参加した小学生1500人にアンケートを実施しました。いまの子どもたちが、どのようにゲームやスマホを利用しているのかのリアルな声を聞くことができました。

生徒1人に1台端末と高速大容量の通信ネットワークを整備するGIGAスクール構想とは?
文部科学省「GIGAスクール構想について」


ガンホーが実施している小学生向けゲーム・スマホ啓発講座の詳細はこちら

機能制限(ペアレンタルコントロール)で管理している?

スマホやゲーム機には、子どもが有害なサイトにアクセスしたり、ゲームで勝手に課金したり、長時間遊ぶことを制限する機能が搭載されています。ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子さんをはじめ、これまでにインタビューさせていただいた有識者のみなさんも、ペアレンタルコントロールの有用性について認められていますが、実際に各家庭で機能制限は活用されているのでしょうか? まずはアンケート結果から見てみましょう。


ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授 高橋暁子さんインタビュー
ゲームを理解して子どもの課金トラブルを未然に防ごう!

機能制限(ペアレンタルコントロール)で管理している?

管理していない家庭が多い結果に

アンケートの結果を見ると、高学年になればなるほど「制限していない」家庭の割合が増えていることがわかります。4年生より上の学年の子どもの約50%が「制限なし」でスマホを利用しています。高学年になると「なんでうちだけ?」、「みんなもやっているのに!」と友だちを引き合いに出して、スマホやゲーム機に制限をかけることを拒否している可能性があります。ペアレンタルコントロールは有用な機能ですが、小学校高学年になると機能制限だけで管理することは難しい実状がうかがえます。 そのため、ペアレンタルコントロールで制限をかけるタイミングはスマホやゲーム機を子どもに渡すタイミングがベストと言えるでしょう。

管理している場合は「使用時間」を管理している

一方で、機能制限で子どものスマホやゲーム機を管理している家庭を見てみると、1年生や2年生では「課金」の制限が一番多く、3年生よりも上の学年では「時間」の制限が一番多い結果となっています。高学年になると自立心が芽生え、「お小遣いの中から自分の判断で課金したい」と言う子や、「勝手に課金してはいけない」という判断ができる子もいるため、「課金」制限は減っているのかもしれません。一方で、スマホやゲーム機を利用する時間が増えてくるためか、「時間」制限が多くの家庭で使われているようです。 しかし、自立心が芽生えてくる高学年の子を持つ家庭の半数が「制限していない」という結果を見ると、機能で制限するよりも、子どもと話し合って約束をし、機能制限に頼らない約束(ルール)作りに重きを置く家庭が多いのかもしれません。 福岡教育大学教育学部家政教育ユニット、准教授の奥谷めぐみさんも親子で話し合って約束(ルール)を作ることの大切さについてお話されていますので、参考にしてみてください。

福岡教育大学教育学部家政教育ユニット、准教授・奥谷めぐみさんインタビュー
ゲーム・スマホの約束(ルール)は、親子で話し合って決めよう

小学生は実際どれだけゲームをしている?

機能制限で一番大きく使われていたのは「時間制限」でした。多くの親が、子どもがゲームで遊ぶ時間を問題視しているようですが、実際に小学生はどのぐらいゲームを遊んでいるのでしょうか? ゲームを遊ぶ時間についてのアンケート結果を見てみましょう。

小学生は実際どれだけゲームをしている?

1日1時間~2時間が小学生の平均時間

アンケートの結果を見ると、低学年では「1時間~2時間以下」が最も多く、5年生や6年生になると「2時間~3時間以下」が多いという結果になりました。高学年の中には「3時間以上」という子どもも一定数いるようですが、平均は1時間~2時間です。もし子どもが「みんな3時間以上やっているよ!」と言ってきても、3時間以上遊んでいる子は少数派で、平均は1~2時間であるということをこのアンケートを使って説明できそうです。また、小学生の1日のスケジュールについて考えてみると学校生活やクラブ活動、塾や習い事などで意外と忙しいことがわかります。そんな中、3時間以上ゲームを遊んでいる子どもは睡眠時間も短くなりがちです。子どもの睡眠に詳しい民育(みんいく)アドバイザーの高橋大洋さんは睡眠不足による悪影響と、しっかりとした睡眠をとることについてのメリットについて解説してくれています。「子どもにしっかりとした睡眠時間をとってもらうようなスケジュールから逆算することで、ゲームに触れられる時間も自ずと決まってくる」ともお話されているので、ぜひ高橋さんのお話を参考にしてみてください。

民育アドバイザー・高橋大洋さんインタビュー
ゲームばかりしている子どもの睡眠時間が心配――ゲームと上手に付き合いながら睡眠不足にならない方法を眠育アドバイザーに聞いてきた

ゲームをしない小学生はほとんどいないと考える

あらためてアンケートの結果を見ると、ゲームを全く遊ばない子どもは1年生こそ13%と1割以上ですが、2年生以降は1割を切っています。ゲームはもはや子どもたちにとって欠かせないコミュニケーションツールになっているので、ゲームそのものを禁止してしまうのは現実的ではありません。

小学生の約半分は毎日ゲームをしている

「持っている機器でゲームをしますか?」のアンケート結果では、1年生こそ「毎日する」は35%に止まっていますが、高学年になると半数以上の子どもが「毎日する」と回答しています。「ときどきする」も含めると8割以上の子どもが、それなりの頻度でゲームを遊んでいることになり、ゲームが子どもと切っても切れない関係にあることがわかります。このことからもゲームを禁止して取り上げてしまうことが現実的でないことがわかります。

持っている機器でゲームをしますか?

今の小学生のゲームデビューって何歳?

ゲームをしない小学生の割合が1割を切る中、子どもたちは何歳でゲームをはじめているのでしょうか? いつからゲームをはじめたのかアンケート結果を見てみましょう。

小学生低学年の時点でほとんどの児童がゲームをプレイ

アンケート結果を見ると、小学校低学年の時点でほとんどの子どもがすでにゲームを遊んでいることがわかります。 興味深いのは、低学年の子どもの半数近くが「小学校入学前」からゲームをしているのに対し、高学年は「小学校低学年」からという回答が多いことです。今の小学生はコロナの影響による長期休校を経験したこともあり、その期間にゲーム機やスマホ・タブレットを用意した家庭も多かったのではないかと推測しています。そのため、このような結果でなったことも考えられます。 このことが一因となって、ここ数年で見ても子どものゲームデビューは年々早くなっているということでしょう。小学校入学前からスマホやゲーム機そのものを機能制限で制限することや、遊ぶ時間や課金についての約束作りをはじめることが必要なのかもしれません。

小学生は親と一緒にゲームをしているのか?

家庭用ゲーム機を世界中に普及させたファミリーコンピューターの登場が1983年。親御さんの中には、ご自身もゲームが好きで、子どもと一緒にゲームを遊んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 親子でゲームを遊んでいる家庭がどのぐらいあるのかアンケート結果を見てみましょう。

小学生は親と一緒にゲームをしているのか?

半数以上が親と一緒にゲームをしたことがある

アンケート結果を見ると半数以上が親と一緒にゲームをしたことがあることがわかります。親子一緒にゲームを遊ぶことで、親子の会話も増えますし、ゲームと子どもの事情を理解した上でスマホやゲームに関するルール作りもできます。例えば子どもたちの間で人気のオンライン対戦ゲームの場合、対戦の途中でやめさせてしまうと、一緒に遊んでいる子どもの友だちもゲームに負けてしまうといったこともあります。親子でゲームを遊ぶことで、こうしたゲームの特性を理解し子どもと話し合ってルールを作れるので、積極的に子どもとゲームを遊ぶ時間を確保すると良いでしょう。

小学生はゲームをしていて何で一番怒られているのか?

ゲームばかりしている子どもに対して「ゲームばかりしていないで勉強しなさい」と叱ってしまう親御さんも多いことでしょう。実際、小学生はゲームをしている時、何が原因で親に叱られているのでしょうか? アンケート結果を見てみましょう。

小学生はゲームをしていて何で一番怒られているのか?

遊ぶ時間が原因で怒られているのが一番多い

一番多いのは「長時間遊んでいた」で、次に多いのが「夜遅くまで遊んでいた」という結果となりました。あらためて多くの親御さんが、子どもがゲームを遊ぶ時間を問題視していることがわかります。機能制限の利用やガンホーが提供する『お約束メイカー』も活用しつつ、子どもがゲームに触れる時間を見直してみてください。子どもを叱るつもりが感情にまかせて怒りをぶつけてしまったことで親子の関係が悪化してしまうといったこともあるかもしれません。ゲームばかりしている子どもに怒りの感情ぶつけないためのコツを、日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんにうかがっていますので、インタビューを参考にしてみてください。

日本アンガーマネジメント協会代表理事・安藤俊介さんインタビュー
なかなかゲームをやめない子どもを怒らずにやめさせる方法ってあるの?

小学生が起こすゲームトラブルの実態

小学生のお子さんをもつ親御さんが一番心配されるのがゲームによって起きるトラブルでしょう。小学生がどんなトラブルを経験しているのかアンケート結果を見てみましょう。

小学生が起こすゲームトラブルの実態

「友達とのケンカ」がトラブルでは一番多い結果に

結果を見ると8割近くが「トラブルはない」と回答しており、実際にトラブルに遭遇した子どもは少ないことがわかります。トラブルの中で一番多いのは「友達とのケンカ」ですので、身近な友達との間で起きたトラブルであることが分かります。一方で自由回答で寄せられたコメントでは「パスワードを教えてと言われ、教えてしまった」や「裸を見せてと言われた」など、危険性の高いトラブルに遭遇した子どももいます。どちらもオンラインでの見知らぬ人との間で起きたトラブルですので、子どもが誰とゲームをしているのかについては、敏感になっておいた方が良いでしょう。

ゲームを遊ぶ上で各家庭が設けている約束の実態

小学生のスマホやゲームの利用実態についてのアンケートを見てきましたが、最後に各家庭でどんな約束をしているのかアンケートも取りましたので、そちらも見てみましょう。

ゲーム・スマホに関する約束の内容

高学年の「課金」は機能制限ではなく約束が多い

各学年ともに一番多かったのは「時間」に関する約束でした。高学年になると「課金」に関する約束も増えています。冒頭で紹介した機能制限に関するアンケートでは、高学年になればなるほど「課金」を機能制限で制限していないといった結果が出ていました。高学年の「課金」に関しては、機能制限で制限せずに約束によってルールを作っている家庭が多いことがわかります。

約束は親子で話し合って決めた率が一番高い

「ルールや約束は誰が決めましたか?」という質問に対して、一番多かった回答は「親と一緒に決めた」です。過去に行ったアンケートでも親が一方的に決めたルールは守られない傾向にあることがわかります。子どもの話をよく聞いてあげて、子どもも納得する形でルールを作ることで約束は守られる傾向にあるので、ぜひ『お約束メイカー』を活用してください。

各家庭のスマホ利用に関する約束についてのアンケート結果
家庭で決めたスマホの約束(ルール)で守れていないのって何?

約束は誰が決めましたか?
POINTまとめ
  • ペアレンタルコントロールで「時間」を管理している家庭が多い
  • 小学生の1日のゲームプレイ時間は平均1~2時間
  • ゲームデビューは小学校低学年が多い
  • 半数以上の家庭が親子でゲームをプレイしている
  • ゲームで親に叱られる原因のトップは「時間」
  • 小学生がゲームで起こすトラブルで多いのは「友だちとのケンカ」
  • 親子でゲームに関する約束を作っている家庭が多い

POINTを意識して約束を作ってみる

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子どものスマホ・ゲームの利用について親子で約束(ルール)を決めているご家庭は多いと思いますが、約束(ルール)が守れなかった時のペナルティについては決めているでしょうか?そしてそれはどんなペナルティでしょうか。保護者向けアンケートの結果をお伝えします。
斎藤ゆうすけインタビュアー/ライター
斎藤 ゆうすけ
さいとう ゆうすけ。ライター・放送作家。大学在学中よりゲームメディアで記事の執筆を行い、現在はテレビやラジオの放送作家として活動。バンタンゲームアカデミーおよび東放学園映画専門学校にて、講師としてゲーム関連の講義も担当しており、バンタンゲームアカデミー高等部eスポーツ専攻ではプロゲーマーを目指す高校生向けにネットリテラシーの講義も行う。活動に関する告知はTwitter『斎藤ゆうすけ(アニゲウォッチャー)』にて発信中。
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