子どもが猫背でゲームをしている!こらっ、姿勢を良くしなさい!背筋を伸ばしなさい!
都度注意するよりも良い方法を聞いてきたゾイ
- もくじ
- 小林篤史さんプロフィール
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ボディスプラウト代表、猫背矯正マイスター®︎、柔道整復師。高校時代はプロ野球選手を目指すが、度重なる腰痛に悩まされ断念。その経験によって治療家の道へ。
2006年宮前まちの整骨院、2020年スカッと整体を開院。骨盤ケア商品の開発も行う。『10秒で治せる!子どものねこ背のばし』(かんき出版)など著書は累計20万部超。
【姿勢の専門家 小林篤史チャンネル】
子どもがゲームやスマホで遊んでいる時、「また猫背になっている!」「あんな姿勢で苦しくないのかな?」と気になる親御さんも多いのではないでしょうか。最近ではGIGAスクールも始まり、スマホやタブレットは勉強する道具にもなり、取り上げるのも難しい状況です。娯楽だけではなく、勉強にも必須になるスマホやタブレットと、正しい姿勢で上手に付き合うための方法を猫背矯正の専門家小林篤史さんに教えてもらいました。ぜひ参考にしてみてください。
自分の子どもは大丈夫?「良い姿勢」「悪い姿勢」を見分けるポイント
そもそも「良い姿勢」とはどのような姿勢なのでしょうか?基本から伺ってみました。
「良い姿勢」とは「骨盤が立っている」



――そもそも「良い姿勢」とは、どのような姿勢なのでしょうか?
小林:
ここではゲームやスマホをするときに多い、座った姿勢についてお話ししますね。基本的に「骨盤がしっかり立った状態で、その上にまっすぐ座れている」状態が良い姿勢です。ゲームやスマホに夢中になりすぎると、猫背になりがちなので注意が必要です。
画像1が、骨盤が立った良い姿勢。画像2が、骨盤が後ろに傾いてしまっている悪い姿勢です。悪い姿勢のときは、画像3のように、骨盤が背もたれにだらっと寄りかかってしまい、猫背になってしまいます。
デジタル機器を使うと、姿勢が悪くなりがち

――ゲーム機やスマホなどのデジタル機器を利用していると、つい先ほどの悪い姿勢になりがちですよね。
小林: はい。背中が丸まり、猫背になりがちですよね。ゲーム機やスマホを使う際に、画像4のように首が前に出てしまっているケースもよく見かけます。見た目も良くありませんし、このような姿勢は首、肩、背中を痛めかねません。
子どもの猫背をなおして姿勢を良くするために親ができること
ゲーム機やスマホなどのデジタル機器を使いながらも、悪い姿勢や猫背を防止するためには、どういった点に気を付ければいいか教えてもらいました。
子どもが熱中している時に猫背をなおすように注意しても険悪になるだけ
――子どもの姿勢を良くして猫背をなおすために、親はどう促していけばいいのでしょうか。
小林:
まず親から子どもに「猫背をなおしなさい」「背筋を伸ばしなさい」と注意したところで、意味はないでしょう。特に子どもがゲーム・スマホに熱中している時に親から注意したところで、子どもにすればウザいだけです。
そのような中でどうすればいいかですが、まず先程お話しした「良い姿勢」についてお子さんに日々教えて、親子で実践することが大切ですね。デジタル機器を利用する際は姿勢が悪くなりがちですが、一定の時間を決めて休憩を取り、その際はストレッチなどで猫背をなおして、一度「良い姿勢にリセット」することを習慣にしたいですね。
――ゲームやスマホに夢中な時に親があれこれ言っても「うるさい!」になるでしょうから、「休憩時間にリセット」が現実的ですね。
良い姿勢のため「覗き込む」姿勢を徹底的に避ける
小林:
さらに、良い姿勢のためには「覗き込む」姿勢は避けましょう。覗き込む姿勢は、自然と首が前に出てしまい、猫背の原因となります。お子さんに「覗き込んではいけません」と言うだけでは伝わりにくいので、覗き込まないための環境を整えましょう。まず、モニターの角度を調整することが重要です。
例えばデスクトップ型のパソコンで、ディスプレイが見る人に対し垂直に立っているケースがよくありますが、垂直にあるものは覗き込みやすいです。ディスプレイは30~40度程度、向こう側に傾け、斜めにした方が覗き込みにくくなります。
なお、机の上にそのまま置かれたタブレットなど「水平」なものも、覗きこみやすくなります。タブレットスタンドなどを活用し、ディスプレイの角度と同様に、「垂直よりも少し向こう側に倒す」ことを意識しましょう。こうすることで、猫背防止も期待できます。
――見る対象が垂直でも水平でも、人は覗き込んでしまうんですね。
小林: はい。ですが家のテレビでゲームをする場合、液晶テレビは傾けるのが難しい機種もあると思うので、その場合はテレビから2~3メートル距離を取ってゲームをしましょう。見るものとの距離が近いと、覗き込みやすくなりますので、猫背の原因になりかねません。
スマホにも良い「持ち方」がある

小林:
なお、スマホも長時間手で持っていると案外重たいですから、机の上や太ももに置いて見ている人も結構見かけます。ただこれも水平に置かれたものを覗き込む姿勢になり、猫背になってしまうので避けましょう。
スマホなら画像5のように、スマホを持っていない方の手を、持っている手の脇の下に挟むと、スマホを持っている手も安定します。さらにスマホが自然と垂直から少し向こう側に傾いている状態になるので、覗き込む姿勢を防ぎ、猫背防止にもつながります。
――こちら、実際にやってみると良い姿勢を保てるだけでなく、スマホを持っている手が安定して、とても楽ですね。
ゲーム機やスマホを使うときの理想的な姿勢とは?
ゲーム機やスマホを使う時は、椅子に座る、床に座る、寝っ転がるなど様々な姿勢が考えられます。長時間操作しがちなゲーム機やスマホをどのような姿勢で使うのが良いのか、猫背になりにくい適切な姿勢について伺いました。
床と椅子、どっちに座った方が姿勢にいいの?

――ゲーム機やスマホを使う際、床に直に座るのと、椅子に座るのではどちらが良い姿勢を保ちやすいのでしょうか。
小林:
ゲーム機やスマホに限らず、床に直に座るより、椅子に座り机で作業をした方が良い姿勢を保ちやすいです。なお、ソファーは後ろ側が沈み、背中が丸まり、猫背になりやすいので、椅子の方が良いですね。
机で作業をするときは、脇を軽く締め、前腕(ひじから手まで)を机に乗せると、猫背になりにくく、良い姿勢をキープしやすいです。(画像6)。
――「脇を軽く締める」がポイントですね。脇が開くと、体が沈んで一気に猫背になるし、首も前に出てしまいますね。
小林: はい。また、寝っ転がってゲームやスマホをする人も多いですが、これは顔のゆがみにもつながるので注意が必要です。
気分スッキリ!家にあるもので今すぐできるストレッチ
気分も姿勢もリフレッシュできるストレッチを教えてもらいました。家にあるもので、今すぐできますよ。
ストレッチ①バスタオルを使って猫背を防ぐ
――良い姿勢のためにできる、休憩時間におすすめのストレッチをぜひ教えてください。
小林: はい。まずはバスタオルを丸めて、おしぼりのようなものを作ります。バスタオルで作ると、大体直径が7~10センチぐらいになります。そちらを腰の位置で椅子との間に2分間くらい挟んでおきましょう。
――(バスタオルおしぼりを背中に挟み2分後)バスタオルおしぼりを外しても、良い姿勢をキープしなきゃ、と意識しないで、自然と良い姿勢を保てますね。
小林: ですよね。さらに、腰の位置よりもう少し上にバスタオルおしぼりをずらして、また2分キープ、というのをあと2回、合計3回行うと、さらに良い姿勢になって猫背を防ぐことができますよ。
ストレッチ②背中から曲げることを意識して猫背をなおす


小林:
スマホなどを使っていて、首だけが前に出てきてしまうケースも多いですが、こういう姿勢で疲れたときに、ストレッチしようと首を反対側に曲げる人がよくいます。しかし、このとき、首だけ動かすのではなく(画像7)、「背中から曲げる」を意識(画像8)しましょう。
親御さんはお子さんの背中に実際触れながら、「首だけじゃなくて、背中から曲げてごらん」とアドバイスすると、ぐっと伝わりやすいですよ。
――背中も一緒に伸びて、首も連動して伸びていくので気持ちがいいですね。
ゲームで勝つためにも、姿勢は大切!
小林:
「背中が丸まる」と聞くと、どうにも元気がなさそうな姿が浮かびますよね。実際、猫背でいると自律神経の調子も悪くなります。朝すっきり起きられなかったり、「よく分からないけど調子が悪い」といったことにもつながりかねないんですよね。猫背を防いで、姿勢を正すと幸せホルモン「セロトニン」が分泌されるという研究結果もあります。
姿勢が良い方が作業効率も上がるし、気分も良くなるので、「ゲームの成果を上げるためにも、良い姿勢を意識しよう」というのは理にかなっています。この伝え方なら、お子さんも乗り気になるかもしれません。
――良い姿勢を取ると、見た目の印象もいいですし、何より楽なんですよね。猫背が原因の疲れも減るし、気分もシャキッとするのがお話しを伺って良く分かりました。
小林: そうですよね。お約束メイカーを使って、ゲーム・スマホの休憩時間には良い姿勢を取りってリセットすることや、先ほどのストレッチを行うことを明文化するのもいいと思います。私の会社でも、朝礼で姿勢を正していますよ。猫背を防ぐための意識や実践を日々の習慣として取り入れてみてくださいね。
- POINTまとめ
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- 熱中している時の「猫背をなおしなさい」の注意は無意味!
- 「覗き込む」姿勢をなくせば良い姿勢になれる!
- ゲームやスマホのあとは「良い姿勢でリセット」を習慣にしよう!
インタビュアー/ライター
石徹白 未亜- いとしろ みあ。ライター。ネット依存だった経験を持ち、そこからどう折り合いをつけていったかを書籍『節ネット、はじめました』(CCCメディアハウス)として出版。ネット依存に関する講演を全国で行うほか、YouTube『節ネット、デジタルデトックスチャンネル』、Twitter(X)『デジタルデトックスbot』でデジタルデトックスの今日から始められるアイディアについても発信中。ホームページ いとしろ堂