親子でスマホ・ゲームお約束メーカー
インタビュー
2022年11月22日

ゲーム会社社員の子育てってどうしてるの?

「子どもとゲーム」をテーマに、様々な分野の専門家にお話を伺っている本企画。今回は少し趣向を変え『番外編』として「ゲーム会社のパパ・ママは、子どものゲームについてどうしているの?」という点について、弊社社員に聞いてみたゾイ!共に現役子育て世代のパパ・ママである社員F(女性)とY(男性)にゲームに関する現状や管理方法などを語ってもらったゾイ!

もくじ

「ゲーム没収」という1つの手段

-今回は、「ゲーム会社で働くパパ・ママのゲームと子育て」をテーマにお話を伺います。まずはお二人の家庭状況について教えてください。

F:我が家は夫婦2人に加えて、中学1年生と小学5年生の女の子2人。あと、おばあちゃんが一緒に住んでいます。

Y:僕は妻、中学2年生、小学4年生の男の子2人、それに母親との5人家族ですね。

-お子さんはゲームをいつから始めましたか?

近藤慶太さんインタビュー風景

F:上の子は5~6歳の時から遊んでいました。下の子はもっと早くて、ゲームが理解できるようになった3歳くらいには始めました。スタートはコンシューマーゲーム。その時はニンテンドー3DS(以下3DS)かな?そこから始まって、ニンテンドーSwitch(以下Switch)を始めて、今もやっていますね。あと、意外とスマートフォン(以下スマホ)ゲームはしていなく。コンシューマーゲームだけです。

Y:うちは、兄弟どちらも幼稚園くらいから。3DSなりプレイステーションなりスマホゲームなりに小さい頃から親しんでいました。今は平日ならスマホ、土日にパソコン(ゲーム)やSwitchとか。時間は1日2~3時間くらいですね

-かなり早い段階から始めていたんですね。ちなみに、どんなゲームで遊んでいますか?

F:私も夫もゲームをやっていますけど、しいて言えば「子どもに遊ばせても大丈夫なゲーム」ですね。例えば、任天堂さんのタイトルとか、家にあったものを最初は遊ばせていました。ある程度親が内容を理解した上で、「これだったら子どもでも問題ない」というタイトルを。

Y:うちの場合、最初は子どもの面倒を見る時間がない、目を離さなきゃいけない時に5~10分(子どもに)集中してもらえるようなものですね。ちょっと手が離せない時に「これで遊んでね」みたいな。今長男がよくやっているのは、サッカーとかFPS(ファースト・パーソン・シューティング)辺りの所謂流行りの対戦系が多いですね。

-子どもがゲームを遊ぶ上での問題点ってありますか?

F:最初Switchが1台しかなくて、(姉妹で)奪い合いでケンカしたり、時間を守らなかったりとか・・・。(小学校)低学年のうちは言う事を聞くけど、高学年になっていくと、だんだん聞かなくなってくる。だけど、うちの場合、Switchの「ペアレンタルコントロール」(制限機能)で、時間になるとゲームが出来なくなるようにしています。だから、時間の問題はおこらない環境にしています。私自身も(ペアレンタルコントロールなどの)知識があって、最初から制限機能を設定していたから、子どもも「そういうもの」だと思っているみたいです。

Y:ゲームに集中して親の話を聞かない、空返事になる事はあったけど、それを問題視しているかどうかだと思います。お金を使う場合も、うちはプリペイドカードで、クレジットカードは使わせていません。

-問題についての話がありましたが、実際約束などが守れなかった場合はどうしていますか?

F:約束を守れなかったら没収ですね。でも、(没収で約束を守るようになる)効果は、いいところ1カ月もつかもたないか。なので、守れなかったらまた没収(笑)。

Y:(勉強をさぼると)学校の成績に現れてくる。大幅に成績が下がったりすると、「デジタル・デトックス」として、1週間ゲームを無しにしてみたりします。

勉強・家事はもっとゲームしたい時の動機づけ

-子育て世代にとっては、「ゲームと勉強のバランス」って凄く難しいポイントですよね。その辺りはどう管理されていますか?

F:基本的には時間の管理、あとは姉妹なので、片方が勉強をしている時はその前でゲームをしない。あとは使ってはいけない時間の時はリビングで充電をさせるルールにしたり…

-親としては「使ってはいけない時間帯にリビングに端末がないのはおかしい」となったりするわけですね。

F:でも、親が寝てから子どもがこっそり起きて、夜中1時頃に自分の部屋で操作していた事があったから(端末用の)金庫を買う事も、本気で考えてしまいました。

-親が寝た後、というのは中々難しいですね・・・。Yさんは?

Y:うちは「ゲームの時間=勉強時間」というスタンスです。ゲームを1時間やりたかったら勉強も同じ時間やる。だから、ある意味ゲームのおかげで勉強をしてくれるようになったところもあります。

-勉強の報酬が‘’ゲーム時間‘’という感じですか。

Y:そうそう。1日2~3時間(ゲームを)遊びたいのであれば、前の日にその分の勉強をやりなさいよと。ゲームの動機付けとして勉強もやっている。でも、そこに至るまでが大変でしたよ。

-なるほど。何か理由や経緯があったんですか?

Y:ゲームを取り上げて、勉強をやらせるっていうのが、あまり有効ではなかったんです。だから、長男が中学校に入ったあたりから逆にしたんです。(ゲームを)やりたきゃ勉強しろよ、と。あと、夜20時以降にしかゲームは出来ないようにしている。晩御飯を食べ終わって、みんなで話す時間に、スマホは触らないでいようよっていう。

-子どもとしても、“メリット”がないとつらいですよね。Fさんは何か“報酬”は決めていたりしますか?

F:基本的に約束を守れたら何かっていうのはないですね。ただ、+αでもっとゲームをしたい日や、友達と時間外でやりたい時もある。だから、そういう時は「自分で提案してきなさい」という風に言っています。例えば、掃除や洗濯などの家事をやるとか。今は自分で言ってくるようになっています。

-そういったルールを決めるベストなタイミングっていつ頃だと思いますか?

F:やっぱり「(ゲーム機や端末を)渡す時」。さらに言うと、初めて(ゲーム機や端末を)買った時がベストだとは思います。だけど、低学年だと約束を沢山作ることは難しいし、作ったとしても理解しきれない部分もあるから、見直しは必要になってきます。

-約束を見直していくにはどうしていくのがいいでしょう。

F:小学校の中学年~小学校卒業するくらいまではきつくする。その後、中学生になったら少し緩くしたりかな。なぜかというと、低学年だと「ゲームをやりたい気持ち」をなかなか制御できなかったりするけど、高学年になると、「良い事・いけない事」の判断が出来るようになる。でも、反抗期になると、親の言うことも聞かなくなってくる。だから、大切なことだけを言い続けて、あとは子供に任せるしかないですね

-Yさんはどうでしょう。

Y:中学3年生の長男は受験もあるし、今後もっと考えないといけない。とはいえ、縛ってばかりだとしんどいので、ゲームとかスマホをいじることが息抜きになればとは思っていたりします。だから(約束やルールを)きつくするというのはあまり考えていません。

「ダメ!」は解決にならない

-家庭内の約束やルールがある一方で、失敗したなという事はありましたか?

F:怒る!

-怒る、ですか?

Y:あるある!でも(怒ることは)失敗とは思わないですね。

F:勉強と同じだけど、「ダメ!」って強くいってもあまり解決にはならなくて。なんでダメなのかそこをきちんと説明しないと。

「ダメ!」は解決にならない

Y:「勉強やれ」って言って、スマホを取り上げるというのは、やっぱりダメですよね。勉強をやらないからって取り上げるのではなくて、やった分だけやらしてあげるとか、成果報酬じゃないけどちょっと視点を変えてみるっていうことが重要かな。あと、管理の話にもどっちゃうけど、親に管理されているっていうのを教えておくということも大切。アカウントとパスワードは知っているので、それを見て「〇〇を買った?」とか、不意に言って、「管理しているぞ!」っていうのを出す。実際はそこまで厳密に管理していなかったりするけど。

-「見ているぞ!」ってことですね。

Y:そうそう。

-他に何か手をうったという事はあったりしますか?

Y:没収以外のペナルティは基本かけていません。だけど、いつでもできるぞっていうことは言うようにしています。具体的にいうと、あまりにも約束が守れない時は、Wi-Fiを急に切るとか。いつでも止められるぞっていう。

F:学校提供の端末が「ペアレンタルコントロール設定が親側でできない」っていう状況があって、それで何が起こったかというと、ランドセルに端末を入れて、ベッドでこっそり使ったりしていたんです。そんな状況が続いたから、最終的にWi-Fiを切ると。あと、オートで(Wi-Fiに)繋がらないように毎回パスワード認証が必要になるようにしている。だから、管理できるゲーム機より、学校の端末でYouTubeやゲーム、マンガを読むことが今は問題だったりします。

ー学校でICT教育が進められる中で、「親側が対策を設定できない状況」というのは、新しい課題ですね。それゆえに、「親の目」も大事になってきますね。

F:やっぱり1番は親!親の端末やICTの知識の差が、そのままトラブルの有無につながっていると思います。子どもたちが親の目を盗んで何かしらするのはしょうがないけど、その時に、目が届いて気づくには親に知識がないと厳しいと思います。

-親側が知識を身に着けておくことが重要と。最後に、子どもとゲームの付き合いについてこうしていきたい、というのはありますか?

F:1番良いのは、約束が必要なくなる状況ですね。それが「子どもの自立」だと思います。大人もそうだけど、仕事とプライベートのバランス、子どもなら勉強とゲームと、自分でバランスを取りながら生活を送れること=自立しているということ。それが大切だと思います。

Y:自分で判断ができるようになればいいですけど、人間どうしても怠ける方に逃げちゃうところもどうしてもある。なので、そこは子どもの状況を見ながらですね。

POINTまとめ
  • 約束を作るベストタイミングはゲーム機を初めて買った時
  • 親にゲームを管理されている事を子どもに教えておくのが大切
  • 勉強をさせたい為のゲーム没収はあまり効き目がない

POINTを意識して約束を作ってみる

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